実行委員長からのメッセージ


こうちのたからのみなさんへ


 音楽を愛する高知の音楽家の活動は盛んで、コンサートやイベントが毎日のように地域で行われています。しかし、その音楽家たちの存在や内容を、私たちはどれだけ知っているのでしょうか。


 音楽通の友人いわく「海外で活躍して、今は高知を拠点に演奏活動しているプロの演奏家がいる」「高知からわざわざ中央に出かけ、有名な演奏会にも出演している」。その方の演奏力はハイレベルでも、活動に必要な経費は、ご自身で開く教室のレッスン料などで賄う苦しい事情がほとんどだとか。恥ずかしながらそんな逸材が高知にいることを知らない私でした。


 本物の音楽には理屈などいりません。ただ、その空間にいるだけで、演奏の素晴らしさ、アンサンブルの心地良さなど、音のチカラが演奏者の人となりと相まって、豊かな空間を創造します。そこには、録音や録画では伝わらない一期一会の感動が存在します。しかしその出会いは、その場所に行かないとなにも始まりません。


 せっかくの高知産の人材を、より多くの人に伝える出会いの機会を増やしたい。そして、音楽家の環境を少しでも良くする応援をしたい。そんな思いからこの音楽祭の話が生まれました。


 高知の素晴らしい自然や、歴史、文化、そして食事。それらは高知の宝物。そして高知に暮らす皆さん全てが宝物です。こうちのたから音楽祭の出演者の演奏を通して、人と人とのご縁をつなぐ音楽祭を共感し、高知の地場産業の大きな一つに音楽が加わるようになるような夢を、皆さんと一緒に描いていきたいと思います。


 二回目の開催で、まだまだ心配りが十分でないかもしれませんが、皆さんが一緒に育んでいただける、そんな心温まる音楽祭になることを夢見ています。開催に向け、ご協力をいただいた全ての「こうちのたから」の皆様に深く感謝いたします。




こうちのたから音楽祭 実行委員長

川窪 財